無口な君は、誰よりも綺麗だった。

乾いた音が静かな屋上に響いた。


(なんでこんなところに空き缶あるんだよ……。ちゃんと片づけとけよ。)


心の中で悪態をつく。


その音を合図にするように、園崎さんの演奏がぴたりと止まった。


「……誰?」


初めて聞いた園崎さんの声。


歌っていた時とは違う、少しだけ警戒したような小さな声だった。


それでも、不思議なくらい耳に残る。


(しまった……。)


見つかった。


そう思った瞬間、園崎さんはゆっくりとこちらへ視線を向けた。


夕日に照らされたその瞳と、俺の目が合う。


「……っ。」


一瞬だけ驚いたように目を見開いた園崎さんは、何も言わずに眼鏡を掛け直し、マスクをつけた。