無口な君は、誰よりも綺麗だった。

その声を聴いた瞬間。

俺は思った。

やっぱり。

この歌声を見つけられてよかった。

昔。

誰にも届かないと思っていた声。

今は。

たくさんの人の心を動かしている。

目の前の観客も。

静かにその歌に引き込まれていた。

そして。

サビ。

そのちゃんの声が響く。

強く。

優しく。

真っ直ぐに。

――私の歌は、ここにある。

そんな想いが。

歌声から伝わってきた。

演奏が終わる。

一瞬の静寂。

そして。

「……。」

「わああああ!!」

大きな歓声が響いた。

「Astral最高!!」

「この曲好き!!」

「歌声綺麗すぎる!!」

その瞬間。

そのちゃんはステージの上で。

少しだけ笑った。

(そのちゃん。)

(もう大丈夫だよ。)

君の歌は。

ちゃんと届いてる。