無口な君は、誰よりも綺麗だった。

「……前は。」


小さな声。


「みんなに歌を聴いてもらうことが、怖かったんです。」


「……。」


一瞬。

屋上に静かな時間が流れる。

だけど。

そのちゃんはすぐに顔を上げた。


「でも……今は、楽しみです。」


その言葉に。

胸の奥が熱くなる。

(少しずつでいい。)


(そのちゃんが、もう一度音楽を好きになれるなら。)

俺は何度でも。


この場所へ連れてくる。
そう思った。