無口な君は、誰よりも綺麗だった。

気づけば、時間なんて忘れていた。


一曲。

また一曲。


園崎さんは誰もいない屋上で、ただ静かに歌い続ける。


その歌声はどこまでも優しくて、真っ直ぐで時々切なかった。


(こんな子が、どうして……。)


こんなにも綺麗な歌声を持っているのに。


どうして誰にも聴かせないんだ。


どうして教室では、あんなに無表情で居るの?


知りたい。


もっと、この子のことを。


その時だった。


カラン——。


足元に落ちていた小さな空き缶を、つま先で軽く蹴ってしまった。