無口な君は、誰よりも綺麗だった。

優しく、真っ直ぐで、どこまでも透き通る歌声。


上手く歌おうとしているわけじゃない。


誰かに聴かせようとしているわけでもない。


まるで、一つひとつの言葉を大切に届けようとしているような歌い方だった。


夕焼けに染まる屋上へ、優しい歌声が溶け込んでいく。


(……なんだ、この歌声。)


思わず息を呑む。


心の奥底に、そっと触れられたような感覚。


胸の奥が熱くなって、言葉にならない何かが込み上げてくる。


(こんな歌声を持つ子が、この学校にいたなんて……。)

目が離せなかった。


教室では一度も笑わず、一度も喋らない無口な女の子。


そんな園崎さんが今は、ギターを抱きしめるように奏で、優しく微笑みながら歌っている。


その姿は、誰よりも綺麗だった。