無口な君は、誰よりも綺麗だった。

「……ごめん。私、このバンドもう辞める。」

その一言で、音が止まった。

放課後の音楽室。


ギターボーカルだった彼女は、ギターケースを肩に掛けたまま、俺たちをゆっくりと見渡す。


「正直、このバンドつまんないんだよね……。もっと上を目指せる人たちとやりたい。」


そう言い残すと、彼女は一度も振り返ることなく音楽室を出ていった。

ガラガラ――。

静かに閉まる扉の音だけが、やけに大きく響く。

誰も口を開けなかった。

キーボードの紗羅は俯き、ドラムの舜は小さく舌打ちをする。

俺はただ、閉まった扉を見つめることしかできなかった。

「……学祭ライブまで、あと六日だぞ。」

ようやく絞り出した声は、自分でも驚くくらい弱々しかった。