君に溺愛をあげる。

少し駆け足で帰っていた時、道路の真ん中に子猫が座っているのがみえた。

わっ、ちっさいっ……まだ生後一ヶ月ぐらいじゃないかな…?

ふふっ、まるまって寝てる…かわいい。

怯えさせないように、離れたところからじっと観察する。

この道は車は侵入禁止だから、道路で寝ても問題なさそう。それにしても、お母さん猫はどこだろう……?

きょろきょろ周りを見た時、向こうから一台の車が走ってきているのがみえた。

え…どうして車が…。

猫がいることにきづいてないのか、それとも気づいていて気にしてないのか…近づいてくる車をみてドッドッと鼓動が大きくなる。

猫ちゃんはすやすやと寝ていて、車にも気づいていなかった。

ダ、ダメ……!

頭で考えるよりも先に、体が動いていた。

「あぶないっ……!」

猫ちゃんに駆け寄って、手を伸ばす。

ーキィィィィ!!

あ…。

倒れたわたしはゆっくりと、重たい頭を起こした。

良かった…ギリギリ、間に合った…。

子猫のところに一匹の大きな猫が駆け寄ってきた。

親猫かな…?子猫のこと、迎えにきてくれたみたいだ…。

体、痛い…わたし、死ぬのかもしれないな…まだ死にたくないけど…わたしがいなくなっても悲しむ人はいないと思うから大丈夫かもしれない…あはは。

「にゃぁ……」

あれ…?

鳴きながら、わたしの方に近づいてきてくれる猫ちゃん。

もしかして、悲しんでくれるの…?

「えへへ…あなたが、無事でわ良かった…」

わたしの意識は、そこで、ぷつっと途切れた。