よく晴れた日の放課後。
窓から差し込む夕暮れ時のオレンジ色の光が、無人の図書室を照らしていた。
俺は机の上に、あの色褪せた青い栞を置いていた。
中学時代の思い出。引きずり続けた過去。
それを今、ゆっくりとゴミ箱へと落とす。
カサリ、と音がして、俺の胸の中にあった最後の鎖が外れた。
「先輩! 遅くなってすみません!」
ドタドタと足音を立てて、息を切らせた武琉が飛び込んでくる。
部活の助っ人に駆り出されていたらしい。
乱れた髪のまま俺の前に実直に駆け寄ってくる姿は、やっぱりただのワンコだ。
「……千歳。ちょっとこっちに来い」
「はい? うわっ」
俺は武琉の制服のネクタイをぐいっと引っ張り、驚く彼の顔を本棚の陰へと引き込んだ。
あの雨の日とは逆のポジション。
驚きで目を丸くしている武琉を、俺は精一杯のクールな目で、だけど内心は心臓が爆発しそうなほど緊張しながら見つめ返す。
「先輩……?」
「……お前、俺にしかあんなことしないって言ったよな」
「はい。世界中で、結弦先輩にしかしたくないです」
真っ直ぐな言葉が、胸に突き刺さる。もう、逃げも隠れもしない。
「……武琉」
初めて名前で呼ぶと、武琉の肩がビクッと跳ねた。
「お前だけだから。俺がこんなに格好つかないのは。……責任、取れよ」
言い終えるが早いか、今度は俺から武琉の唇にリップ音を重ねた。
一瞬固まった武琉だったが、すぐにハッと息を呑むと、俺の腰に大きな手を回して、壊れ物を扱うように、だけど深く、深く愛おしそうにキスを返してきた。
「っ……先輩、それ、俺を一生のめり込ませる気ですか?」
「もうのめり込んでるだろ」
「あはは、確かに。じゃあ、もう絶対に離しませんからね」
そう言って、いつもの眩しい笑顔で俺の胸に頭を擦りつけてくる武琉。
その耳が、照れ隠しで真っ赤に染まっているのを見て、愛しさが限界突破する。
振り回されていると思っていたけれど、気づけば俺のほうが、この生意気な年下にベタ惚れだったらしい。
放課後の図書室、二人の影がオレンジ色の光の中で、静かに、そしてぴったりと重なり合った。
窓から差し込む夕暮れ時のオレンジ色の光が、無人の図書室を照らしていた。
俺は机の上に、あの色褪せた青い栞を置いていた。
中学時代の思い出。引きずり続けた過去。
それを今、ゆっくりとゴミ箱へと落とす。
カサリ、と音がして、俺の胸の中にあった最後の鎖が外れた。
「先輩! 遅くなってすみません!」
ドタドタと足音を立てて、息を切らせた武琉が飛び込んでくる。
部活の助っ人に駆り出されていたらしい。
乱れた髪のまま俺の前に実直に駆け寄ってくる姿は、やっぱりただのワンコだ。
「……千歳。ちょっとこっちに来い」
「はい? うわっ」
俺は武琉の制服のネクタイをぐいっと引っ張り、驚く彼の顔を本棚の陰へと引き込んだ。
あの雨の日とは逆のポジション。
驚きで目を丸くしている武琉を、俺は精一杯のクールな目で、だけど内心は心臓が爆発しそうなほど緊張しながら見つめ返す。
「先輩……?」
「……お前、俺にしかあんなことしないって言ったよな」
「はい。世界中で、結弦先輩にしかしたくないです」
真っ直ぐな言葉が、胸に突き刺さる。もう、逃げも隠れもしない。
「……武琉」
初めて名前で呼ぶと、武琉の肩がビクッと跳ねた。
「お前だけだから。俺がこんなに格好つかないのは。……責任、取れよ」
言い終えるが早いか、今度は俺から武琉の唇にリップ音を重ねた。
一瞬固まった武琉だったが、すぐにハッと息を呑むと、俺の腰に大きな手を回して、壊れ物を扱うように、だけど深く、深く愛おしそうにキスを返してきた。
「っ……先輩、それ、俺を一生のめり込ませる気ですか?」
「もうのめり込んでるだろ」
「あはは、確かに。じゃあ、もう絶対に離しませんからね」
そう言って、いつもの眩しい笑顔で俺の胸に頭を擦りつけてくる武琉。
その耳が、照れ隠しで真っ赤に染まっているのを見て、愛しさが限界突破する。
振り回されていると思っていたけれど、気づけば俺のほうが、この生意気な年下にベタ惚れだったらしい。
放課後の図書室、二人の影がオレンジ色の光の中で、静かに、そしてぴったりと重なり合った。



