「おーい。」 聞き慣れた声に、思わず振り返る。 「……湊くん。」 人混みの向こうから、ゆっくりと歩いてくる。 少し眠たそうな表情も、制服を着崩さないところも、去年と変わらない。 でも。 私の隣まで来ると、ふっと優しく笑った。 「おはよう。」 「お、おはよう……!」 「おはよー! 柏木くん!」 陽菜が元気よく手を振る。 「おう。二人とも三組だったな。」 「うん!」 「今年も一緒だね!」 陽菜が嬉しそうに笑う。