そのときだった。
家の中から、お母さんが慌てた様子で出てきた。
「え……?」
私も湊くんも、突然のことに驚いて足を止める。
「……あら、りのん。おかえり」
お母さんはそう言ったあと、私の隣にいる湊くんを見た。
そして、目を大きく見開く。
「……!」
「えっと……」
私が何か言おうとするより先に、湊くんが一歩前に出た。
「初めまして。りのんさんとお付き合いをさせていただいています、柏木湊です」
「えっ……あ、あら!」
お母さんは少し驚きながらも、すぐに笑顔になった。
「素敵な人ね! りのんをよろしくね、湊くん!」
「こちらからご挨拶に伺えず、すみません。よろしくお願いします」
「そんな、気にしなくていいのよ」

