春のその先で、君と。




「今年もクラス替えだね!」



「うん。」



「りのん、一緒になりたい人いる?」



私は少しだけ考えて、小さく笑った。



「ひなと……」



少し照れながら続ける。



「湊くん、かな。」



「ふふっ。」



陽奈が嬉しそうに笑う。


その笑顔を見ていると、不意に去年の春を思い出した。



『りのん、一緒になりたい人いる?』



『……ひなとなれれば…特にはないかな。』


あの頃は、まだ湊くんの名前を口にすることなんてできなかった。


今はこうして、少し照れながらでも言える。


恋人になったから。


でも、変わらないものもある。


隣を歩く親友の存在。


だから私は、心の中でそっと願う。



本当に今年こそは、神様。



大切な人たちと、最後の高校生活を笑って過ごせますように。