「りのんー!」
待ち合わせ場所に着くと、いつもの笑顔で陽奈が大きく手を振っていた。
「おはよう、ひな」
「おはよ!」
並んで歩き始めると、陽奈が少しだけいたずらっぽく笑う。
「……ごめんね。」
「え?」
「柏木くんに迎えに来てもらいたかった?」
私は首を横に振る。
「ううん。」
少し笑って答える。
「湊くんも大切だけど。」
「ひなとの時間も、大切だから。」
その瞬間、陽奈がぱっと笑顔になる。
「りのんのそういうところ、大好き!」
「もう……」
照れくさくて笑うしかなかった。
春風が制服を揺らす。

