春のその先で、君と。




胸の奥が、じんわりあたたかくなる。


湊くんと恋人になってからも。


陽菜は何も変わらない。


いつも私の味方でいてくれる。



「じゃあ。」



陽菜がもう一度、箸を持つ。



「早く食べよ!」



「え?」



「すぐに柏木くんに会いに行くんだから!」



「ちょ、ひな……!」



「ほらほら!」



「そんなに急がなくても……。」



「だって楽しみなんだもん!」



「私のことなのに、ひなが楽しんでどうするの。」



「いいじゃん!」



二人で顔を見合わせて笑う。


昼休みの残り時間は、あと少し。


私は少しだけ緊張しながら。


放課後のことを考えていた。


湊くんに。



自分から「一緒に帰ろう」って言ってみようかな。



そんな小さな勇気が。


高校三年生、最初の日に生まれた。