春のその先で、君と。




一時間目が終わる。



「りのん。」



声をかけると、振り返った。



「ちょっと、いい?」



「うん。」



二人で廊下に出る。


隣に並んだりのんは、いつもより少し緊張しているように見えた。


やっぱり、何かある。



「さっき、ため息ついてたでしょ。」



「……え?」



「不安なこと、あった?」



少し考えてから、聞いてみる。



「進路とか……?」



りのんは、黙ってしまった。


やっぱり聞き方、間違えたかな。


そう思っていると、少ししてから、りのんがゆっくり口を開いた。



「うん……進路もそうだけど。」



そして。



「来年の今頃は、私たち離れ離れなのかなって。」



その言葉に、一瞬だけ驚いた。


……そんなことを考えていたのか。


進路のことも。


もちろん大切だ。


これからどんな道を選ぶのか。


俺だって、まだ全部決まっているわけじゃない。


でも。


りのんがそんなことで不安になっていたことが、少しだけ意外だった。


そして。


あまりにも、りのんらしい不安で。


なんだか心配になる。