春のその先で、君と。




高校三年生、初日。


新しい教室。


新しいクラス。


そして。


大好きな彼女と、近くの席になれた。



「柏木は……A列二番。」



先生にそう言われて、席を確認する。


斜め前には、りのん。


思わず口元が緩みそうになった。


……嬉しい。


ものすごく嬉しい。


でも。


そんな顔を見られるのは、なんとなく恥ずかしい。


だから、いつも通り。



少し余裕があるような顔をして、りのんに笑いかける。



「近いな。」



本当は、


めちゃくちゃ嬉しい。


そう言いたかった。


けど、そんなこと言えるわけがない。


りのんが照れたように「……うん」と頷く。


その顔を見て、また嬉しくなる。


……やっぱり、かわいい。


今年も、この子の近くにいられる。


それだけで、最高のスタートだと思った。