春のその先で、君と。




教室に入ると、いつものようにりのんがいた。



「湊くん、おはよう」



「……お、おはよう」



目が合った瞬間、昨日のことが蘇る。


観覧車の中で見つめ合ったこと。


「大好きだよ」と伝えたこと。


そして、初めてキスしたこと。



「……」



「湊くん?」



「え?」



「どうしたの?ぼーっとしてるよ」



「いや、なんでもない」



そう答えたけど、りのんの顔を見るとやっぱり意識してしまう。


すると、りのんも少し頬を赤くした。



「……昨日のこと、思い出してた?」



「……!」



図星だった。



「りのんも?」



「……うん」



二人で顔を見合わせる。


そして、どちらからともなく笑った。



「……なんか、恥ずかしいね」



「うん」



昨日までとは、少しだけ違う朝。


でも、りのんが隣にいることが嬉しかった。