最下位特待生は、学園トップ4の家庭教師になりまして。

家に帰ると、お母さんの「おかえりー」が聞こえてきた。

「ただいま〜」

制服のままリビングに顔を出して、それから自分の部屋へ。

鞄を置いて、制服から部屋着に着替える。

そのまま机に向かうと、今日の宿題を広げた。

まずは自分の勉強。

これだけは絶対に手を抜かないと決めている。

問題集を解いて、英単語を覚えて、予習まで済ませると、

気づけば時計の針は八時を回っていた。

「ふぅ……」

大きく伸びをして、シャーペンを置く。

よし。

今日の勉強、おしまい!

私は机の引き出しを開けて、一冊の真新しいノートを取り出した。

表紙には、マジックで大きく書いてある。

『家庭教師ノート』

……名前はそのまんまだけど、分かりやすいからいいよね。

昔からよく、紡はネーミングセンスがないと両親に散々言われてきたけど、

決してそういうことじゃない。

うん、そう。

決して。

ぱらりとページをめくる。

最初のページには、もう見慣れた名前が並んでいた。

九条 湊くん

その下に、私が今日までに気づいたことを書き込んでいく。

『理解力は高い』

『一度納得すると吸収が早い』

『負けず嫌い』

『素直じゃない』

「うーん……」