その頃、特別教室では、湊がまだ一人で机に向かっていた。
………今日、朝比奈に会うまでは、
家庭教師が終わった瞬間に帰ろうと思っていた。
勉強なんて時間の無駄だ。
どうせできっこないことをするより面倒なことはない。
なのに今日は、なぜかまだ席を立てなかった。
机の上には、さっき解けた問題。
たった一問。
そこまでの難問でも、捻った応用問題でもない。
それなのに、あいつはあんなに嬉しそうな顔を俺に向けてきた。
「……」
九条は小さく息を吐く。
変なやつだった。
俺の名前を聞いたら、こんなの大半の人間が断るに決まってんのに。
釣り合わないから。
住む世界が違うから。
そんな意味のわからない理屈をつけて、
俺の周りの人間はいなくなっていく。
………今日、朝比奈に会うまでは、
家庭教師が終わった瞬間に帰ろうと思っていた。
勉強なんて時間の無駄だ。
どうせできっこないことをするより面倒なことはない。
なのに今日は、なぜかまだ席を立てなかった。
机の上には、さっき解けた問題。
たった一問。
そこまでの難問でも、捻った応用問題でもない。
それなのに、あいつはあんなに嬉しそうな顔を俺に向けてきた。
「……」
九条は小さく息を吐く。
変なやつだった。
俺の名前を聞いたら、こんなの大半の人間が断るに決まってんのに。
釣り合わないから。
住む世界が違うから。
そんな意味のわからない理屈をつけて、
俺の周りの人間はいなくなっていく。



