桜華学園には、誰もが知る四人の存在がいる。
通称――『トップ4』。
日本を代表する名家の御曹司。
世界有数の不動産会社、九条財閥の跡取り候補、九条湊。
コンピューター国内生産トップの実績を持つ
一ノ瀬グループの御曹司、一ノ瀬律。
芸能界にも名を轟かせる白石プロダクション社長子息、白石陽。
そして、政財界の名門である黒崎家の嫡男、黒崎玲。
容姿端麗、頭脳明晰。
家柄も才能も、何もかもが完璧。
桜華学園に通う女子たちの間では、
恋バナになると必ずと言っていいほど、この質問が飛び交う。
――――ねえ、トップ4の中なら誰派?
「九条くんは、俺様だけど絶対守ってくれそうだよね。」
「分かる!でも一ノ瀬くんかなぁ。
心開いたらすっごい一途そうだもん!!」
「白石くんは、誰より優しくて一緒にいたら楽しそう。」
「いやいや、紳士で大人っぽい黒崎くんでしょ!」
誰もが彼らに憧れる。
誰もが彼らを特別な存在だと思っている。
「朝比奈紡さん。あなたにお願いがあります」
突然呼び出された学園長室。
目の前にいるのは、この学園の最高責任者。
そして、その口から告げられた言葉は。
「君には、トップ4の家庭教師になってもらいたい」
「……はい?」
思わず聞き返した。
私が家庭教師?
しかも、学園の頂点にいる四人の?
「いやいや、無理です。」
反射的に答えると、学園長は穏やかに笑った。
「君にしか頼めないのですよ」
「でも、私は……」
家柄で言えば最下位の劣等生。
特待生制度を利用して入っただけの貧乏人だ。
どれだけ勉強ができても、彼らとは住む世界が違う。
だけど数日後、私は知ることになる。
完璧だと思われていた四人の御曹司たちが、
誰にも見せない悩みを抱えていたことを。
これは学園の頂点にいる四人の御曹司と、
自分の価値を知らない特待生の、少し特別な青春ラブストーリー。



