片想いが終わる頃、恋が始まる。

***



────俺の恋は、まるで風船のようだった。


長い時間をかけて、破裂しそうなほど限界まで膨らんだくせに、しぼむのは一瞬。




心にぽっかりと開いた真っ暗な穴。



その底なしの喪失感の中で、俺はただ、そんなとり留めのないことばかりを考えていた。









───だけど、床に座り込んだまま、じっと自分の心と向き合っているうちに。



どん底まで沈んでいた俺の心を支配する感情が、ふっと嘘みたいに、軽やかなものへと変化し始めた。




徹底的に冷え切ってしまったはずの胸の奥に、すうっと一筋の、心地いい風が吹き抜けていくような感覚。





このままウジウジと幼馴染の仮面をかぶり直すなんて、もう俺の性分に合わない。



──だったら、いっそ。



勝ち目のない戦いなのは、自分が一番よく分かっている。


それでも、一度だけ、最初で最後の告白をして、思いきりフラれてこよう。



傷口を広げるためじゃない。


この長すぎた片想いに、笑ってケジメをつけるために。

──諦めるために、全力で伝えるんだ。




座り込んでいた身体を起こし、顔を上げる。


────それが、冷たい床の上で俺が導き出した、最初で最後の、どこまでも澄み切った決意だった。