「詩織、顔がすっごい緩んでるけど」
「っ、祐子!? 外に食べに行ったんじゃなかったの?」
「めんどうだから、私もコンビニで買ってきちゃった」
ビニール袋をがさりと揺らした祐子は、空いている隣のデスクに腰かける。
「っていうか、気配消して声かけてくるのやめてよ。びっくりした」
「私は普通に歩いてきたわよ。詩織がぼんやりしてただけ。……あ、分かった。どうせまた、例の秘蔵フォルダでも眺めてたんでしょ」
「まあ、そうなんだけど……いくら祐子相手でも、このお宝は見せられないからね」
「いや、まったく興味ないから」
スマホの画面を手のひらで隠すようにすれば、あきれ顔の祐子にばっさり切り捨てられてしまった。
「それって、神林くんには秘密にしてるんでしょ?」
「当たり前だよ。絶対に言えるわけない」
「私は別にいいと思うけどね。神林くんの反応も知りたいし」
「……祐子、絶対に言わないでよ。だめだからね!」
「分かってるって。でも、恋人同士なんだから、別にいいんじゃないの? 彼なら撮らせてってお願いすれば、普通に了承してくれそうだけど」
「んー……そもそも良平くんの前での私ってさ、年上っていうこともあって、ついお姉さんぶっちゃうところがあるんだよね。だから、内心では良平くんに対してこんなにデレデレしてるってバレたくないっていうか……それで幻滅されたら嫌だし」



