(っ、う~、かわいすぎる……!)
“いやしフォルダ”と命名したフォルダの中。
そこには、良平くんの寝顔をおさめた写真がずらりと並んでいる。
その枚数は、すでに百枚を超えていた。
真顔の綺麗な寝顔に、口が半開きになっているあどけない寝顔。少しよだれが垂れている寝顔に、嫌な夢でも見ていたのか、眉間にちょっぴりしわが寄っている寝顔写真まで、その表情は様々だ。
これらは全て、隣で静かな寝息を立てていた良平くんの顔を、アプリの無音カメラで撮影したものだ。つまり隠し撮り。もちろん、良平くんに許可はとっていない。
良平くんは朝が弱いタイプで、私より先に起きていることはほとんどない。
いけないとは思いつつも、先に目が覚めて隣で寝ている良平くんを見たら、ほぼ反射のようにカメラアプリを起動してしまう。
だって、普段は屈託のない顔で笑っていることが多い良平くんの、無防備な表情。それを独り占めしていることが堪らなく嬉しくて、幸せで。
その幸せな瞬間を忘れないよう記憶しておきたくて、つい写真を撮ってしまう。この寝顔写真を見ているだけで、すべての疲れが吹き飛ぶような気がして、元気が出てくるんだよね。
私はこの三か月で“良平くんの寝顔”という、ニッチなフェチに目覚めてしまったのだ。



