「ああ、それから――心配しなくても、詩織ちゃんが俺のことが大好きだってことは、十分に伝わってるからね。だってそんな蕩けた顔、俺以外の前では絶対にしないでしょ?」
――子犬みたいで可愛いだなんて思ったけど、前言撤回。
やっぱり全然可愛くない。寝顔はあんなにも天使みたいに愛らしいのに……飢えた狼のようにぎらついた目をしている良平くんは、私の身体を軽々と持ち上げる。
「え、ちょっと待って。どこに行くの?」
「約束したでしょ? 一緒にお風呂に入ろうって。続きはお風呂で、ね」
「でも私、一緒に入るってまだ言ってな……んんっ!」
私の抵抗の言葉は、かぷりと食べられちゃうような深くて甘い口づけによって、声になることなく消えていった。



