「良平くんさ、告白してくれた時に言ってたよね。私が仕事に真摯に取り組む姿に惹かれたって。大人のお姉さんって感じでカッコいいところが好きだなって」
「うん、言ったね」
「だけど本当の私はね、余裕のある自立した女性なんかじゃないの。仕事は好きだけどミスだってするし、疲れた日なんて帰宅してそのまま寝落ちするし、朝ご飯なんてそのままの食パン一枚で済ませちゃうこともある。そういう、ずぼらで面倒くさがりなところもあるんだ」
「うん、知ってるよ」
「……え、知ってたの?」
「もちろん。付き合って三か月も一緒にいるんだからね」
まさか、私のずぼらな一面がバレていたなんて。
予想外だったけど、それなら、これはどうだろう。
「……それにね、さっきも言ったけど、良平くんの寝顔がすごく可愛くて、だから寝顔を隠し撮りしてこっそり眺めてたんだ。良平くんのことが、その……大好きだけど、普段は年上ぶって可愛くないことばっかり言っちゃうし。だから隠し撮りがバレて、良平くんに引かれたり幻滅されたらどうしようって、そう思ったら……不安になっちゃって」
手元を見て話しているから、今、良平くんがどんな顔をしているのか分からない。
返ってくる反応が怖くて、グッと手のひらを握り締める。
すると、良平くんの大きな手が触れた。私の緊張をほぐすように、そっと包み込まれる。
「ごめんね。詩織ちゃんがそんな風に思っていたなんて知らなかった。完全に俺の言葉足らずだったよ」
顔を上げれば、良平くんは眉を下げて笑っていた。



