Secret Happiness Kiss/シークレットハピネスキス

 私の瞳は、初恋を経験した女の子みたいに彼をずっと眺めていた。

 命の熱を感じさせる歌声は、体全身に優しく包まれように染み渡る。

 まるで彼と重なるような熱は、冷めることを知らない。

 歌い終わると、周りは今日一番の熱気で歓声をあげた。

 メンバーが居なくなった後も、誰も居ないステージをひたすらに眺めている。

 気が付いたときには、涙がいっぱいこぼれ落ちていた。

 手を伸ばしながら歌うボーカリストは、まるで私の手を握っているように感じて、その光景が頭の中から離れない――彼の優しい手は、深い心の底まで掴んでいた。