*
あれから二人で夢中になってゲームをし続けた。
途中でお菓子を摘んだり、ご飯を買いに行ったりして自由に過ごす時間もあったが、今日は珍しくずっと二人きりだった。
外は日が沈み始めている。
そろそろ帰ろうか悩んでいると、不意に目に入った香菜の表情がどこか曇っているような気がした。
話しかけるか悩む。
「……あー……なんかあったのか?」
「……え?」
何言ってんだ俺。
柄にもなく、人の悩みに向き合おうとしている自分に驚く。
自分のこともまともに判断できている自信がないのに。
「……聞いてくれるの?」
「……聞くことしかできないかもしれないが」
「ふふっ、ありがとう」
香菜は悲しみを隠すように笑った。
彼女は椅子に座ったまま、ゆっくりと話し始める。
「……山下先輩ね、最初は凄い好きだって言ってくれて。あぁ、この人私のこと好きなんだって思ったの。」
「……俺が見てもそう思うよ」
「ほんと?私、恋とか愛とかよく分からなくて。山下先輩と付き合い始めたのだって好きって言ってくれるから、付き合ったら私もこの人を好きになるのかなって思った」
「……」
知らなかった。
俺はてっきり、香菜も先輩のことを好きなのだと思っていた。
先輩といる彼女はいつも笑っていたから、無意識にそう思い込んでいた。
「先輩、女友達も多くて。よく遊びに行ってたりするんだよね。ちゃんと私に言って行くんだけど」
「……聞いたとしても、嫌だよな」
「やっぱり。……普通はそうだよね」
俺の返答に香菜は眉を下げ、複雑に笑う。
「何も感じないの。先輩が誰と遊んでても何をしても気にならない」
その言葉は淡々としていて、彼女の言いたい意味がよくわかった。
「私は……恋をしていないんだって気づいちゃった。」
悲しみを帯びているはずの声はその感情に対して軽い。
香菜は自分が先輩を好きではないと気づいてしまった。
複雑な感情になんと言っていいのかわからない。
俺が言葉に悩んでいると香菜は続けた。
軽く、なんでもないように彼女は言った。
「だから」
「先輩と別れちゃったよ」
あれから二人で夢中になってゲームをし続けた。
途中でお菓子を摘んだり、ご飯を買いに行ったりして自由に過ごす時間もあったが、今日は珍しくずっと二人きりだった。
外は日が沈み始めている。
そろそろ帰ろうか悩んでいると、不意に目に入った香菜の表情がどこか曇っているような気がした。
話しかけるか悩む。
「……あー……なんかあったのか?」
「……え?」
何言ってんだ俺。
柄にもなく、人の悩みに向き合おうとしている自分に驚く。
自分のこともまともに判断できている自信がないのに。
「……聞いてくれるの?」
「……聞くことしかできないかもしれないが」
「ふふっ、ありがとう」
香菜は悲しみを隠すように笑った。
彼女は椅子に座ったまま、ゆっくりと話し始める。
「……山下先輩ね、最初は凄い好きだって言ってくれて。あぁ、この人私のこと好きなんだって思ったの。」
「……俺が見てもそう思うよ」
「ほんと?私、恋とか愛とかよく分からなくて。山下先輩と付き合い始めたのだって好きって言ってくれるから、付き合ったら私もこの人を好きになるのかなって思った」
「……」
知らなかった。
俺はてっきり、香菜も先輩のことを好きなのだと思っていた。
先輩といる彼女はいつも笑っていたから、無意識にそう思い込んでいた。
「先輩、女友達も多くて。よく遊びに行ってたりするんだよね。ちゃんと私に言って行くんだけど」
「……聞いたとしても、嫌だよな」
「やっぱり。……普通はそうだよね」
俺の返答に香菜は眉を下げ、複雑に笑う。
「何も感じないの。先輩が誰と遊んでても何をしても気にならない」
その言葉は淡々としていて、彼女の言いたい意味がよくわかった。
「私は……恋をしていないんだって気づいちゃった。」
悲しみを帯びているはずの声はその感情に対して軽い。
香菜は自分が先輩を好きではないと気づいてしまった。
複雑な感情になんと言っていいのかわからない。
俺が言葉に悩んでいると香菜は続けた。
軽く、なんでもないように彼女は言った。
「だから」
「先輩と別れちゃったよ」


