大好きな推しの家で、秘密の素顔を知りました

「……できるかどうかは分からないけど、やってみたい」
気づけば、そう答えていた。
母は少しだけ目を細めて、それ以上は何も言わなかった。
「じゃあ、こっちで話は通しておくね」
それだけ言って、またいつものように夕飯の準備に戻っていく。
数日後。 正式に、短期の家事代行としての仕事が決まった。
ただのアルバイトのはずだった。ほんの少し生活を変えるだけの、つもりだった。
けれどその時の私はまだ知らない。
その“現場”が、これからの私の世界を少しずつ変えていくことを。