溺れるほどの愛を君に

ちーくんは、無理して返事しなくていいって言ってくれた。楓先輩は、偽りの笑顔を見抜いて優しく話を聞いてくれた。星良ちゃんは、私の力になりたいって言ってくれた。
 
周りの人がこんなに優しくしてくれているのに⋯⋯私は、何一つお返しできていない。
 
そんな今の状況を、悔しいとしか思えなかった。



『残りの夏休み、気をつけて過ごすのよ。それじゃあ、ばいばい』

「うんっ⋯⋯ばいばい」
 


そうして、プツッと切られた通話。
 
話さなくちゃ⋯⋯やっぱり、私の正直な気持ちをちーくんに話したほうがいい気がする。
 
ちーくんなら、きっと話を聞いてくれる。
 
明日⋯⋯ちーくんと、話そう。
 
メッセージアプリを再び開いて、ちーくんの連絡先を探す。
 
トークボタンを押してから、しばらく言葉選びに悩みながら一文字一文字打った。


ひまり『ちーくん、明日時間あるかな? お話したいことがあるの』

 
自分の気持ちを話すことは、怖い。正直、今も怖いって思ってしまっている自分がいる。
 
でも⋯⋯ちーくんだって、勇気を出して私に想いを伝えてくれたんだ。
 
私だけ逃げるなんて、卑怯だよ。