溺れるほどの愛を君に

えっと⋯⋯こんなとき、どうすればいいんだろうっ⋯⋯。



「___鈴代さん、奇遇ですね」
 


聞き慣れた声が後ろから聞こえて振り返ってみると、そこには楓先輩が立っていた。
 
⋯⋯あれ、なんでここに楓先輩がいるんだろう⋯⋯?
 
確かに、今も前みたいに困ってはいたけど、私が困っているときにいつも現れるのが楓先輩だということに疑問を抱いていた。



「か、楓先輩⋯⋯? どうしてこんなところにいらっしゃるんですか⋯⋯?」

「たまたまここらへんに用事があったんですよ。⋯⋯そちらの方は」

「あっ、私の幼馴染の保科千陽くんですっ。 ちーくん、こちら私の学校の生徒会長を務めている瀬戸楓先輩だよ!」

「⋯⋯どうも」

「こちらこそ、鈴代さん⋯⋯ひまりを、よろしくお願いしますね」
 


あ、あれ⋯⋯? なんだか、ちーくんと楓先輩の間でバチバチ火花が立っているような気がするなっ⋯⋯。
 
私の気のせい、だよね⋯⋯うん。
 
気まずい空気を一旦壊すために、ちーくんと楓先輩の間に割り込んだ。



「あ、あのっ! とりあえずここじゃ暑いですし、よかったら家に来ませんか⋯⋯?」
 


ここは暑いし、長時間喋っていたりしたらきっと熱中症になってしまう。
 
お母さんたちが帰ってくるのはきっとあと一時間後くらいだろうし、今ちーくんと楓先輩を家に上げても問題はないだろう。
 
それから私はやや強引に二人を誘って、気まずい空気を壊すことに成功した。