溺れるほどの愛を君に

これなら、外で目玉焼きが作れちゃいそうだなっ⋯⋯! 

キャンプとかで使えそう⋯⋯。
 
⋯⋯なんて、どうでもいいようなことを考えながらひいろが玄関から出てくるのを待ち続けた。



「___あれ、ひまり?」
 


だから、ただただぼーっとしていたから、少し懐かしさを含んだ声に気づくのに少し時間がかかってしまったんだ。
 
ちょっとだけ低いけど、親しみやすい柔らかい声。
 
この声は⋯⋯。



「ちー⋯⋯くん?」

「久しぶり、ひまり」
 


___私が一番会うことを恐れている、保科千陽本人だった。



「前よりもずっとかわいくなったね。会えてめちゃくちゃ嬉しい」

「え、っと⋯⋯」
 


なんて、返事したらいいんだろうっ⋯⋯。
 
卒業式の日から疎遠になっていたし、とにかく気まずい空気の他ない。

「⋯⋯あ、千陽」

「ひいろじゃん。中学以来だね」
 


よ、よしっ⋯⋯! ひいろが来てくれたことで、ちーくんの話題の中心がひいろになったから、このまま私はお家の中に入っちゃえばオッケーなはず⋯⋯!



「そ、それじゃあ私はお家にもど___」