溺れるほどの愛を君に

他愛のない話に花を咲かせながら会場へ向かっていると、ポツポツと道の周りに屋台が出始めてきた。
 
わっ⋯⋯すごい、こんなところから屋台がやっているんだ⋯⋯!



「リンゴ飴⋯⋯」

「ふふっ、食べたいの? 目がキラキラしてるわよ、ひまり」

「へっ⋯⋯!? お、思わず目を惹かれてしまいまして⋯⋯は、恥ずかしいっ」
 


そ、そんなに顔に出てたかなっ⋯⋯。
 
恥ずかしさのあまり顔を赤らめてうつむいてしまった。



「___ねぇねぇ、そこの君」

「⋯⋯」

「君だよ、君。亜麻色の髪してる君」
 


亜麻色⋯⋯私の髪の色? 私、もしかして誰かに呼ばれているのかな⋯⋯?
 
後ろを振り返ってみると、そこには長身の男性が二人立っていた。



「かわいいね。良かったら俺たちと一緒に回らない? お金なら出すよ」

「え、っと⋯⋯」
 


どうやって断ろうっ⋯⋯今日は私から楓先輩のことを誘ったんだから、どうにかしてでもこのお誘いは断らないと⋯⋯。
 
人からの誘いを断ることが苦手だから、こういうときにどうやって断ったらいいのかわからなくなってしまった。