溺れるほどの愛を君に

あ、そういえばこないだ楓先輩に一緒にお出かけしたいって言われていたし、楓先輩を誘ってこようかな⋯⋯?



「じゃあ、楓先輩誘ってみるね」

「⋯⋯会長!?」

「え⋯⋯うん。何か困ることでもあった⋯⋯?」

「困るというか⋯⋯それならとびっきりかわいくしなくちゃね! 当日はあたしが着付けとかヘアメイク手伝ってあげるから!」
 


目がキラキラと輝いてその星良ちゃんの圧(?)に耐えられなかった私は首を縦に振ることしかできなかった。
 
その日は星良ちゃんと夏祭りの約束をしてから解散した。
 
それじゃあ、楓先輩に聞いてみようかな⋯⋯?
 
夜ご飯のお裾分けを届けるタイミングで聞いてみようっ。

☆     ☆     ☆

 ___ピンポーン。

「楓先輩、夜ご飯届けに来ましたっ⋯⋯」
 


いつものようにインターホンを押すと、楓先輩は十秒も経たないうちに出てきてくれた。
 
は、速いっ⋯⋯! 玄関に待機でもしているのかな?



「ん。いつもありがと、ひまり」

「えへへ⋯⋯どういたしまして、ですっ」
 


あ、夏祭りのこと、今聞いちゃおうかな⋯⋯。



「あの、先輩っ! えっと⋯⋯明後日近くの町でお祭りがあるそうで⋯⋯もしよければ、先輩も一緒に行きませんか⋯⋯?」
 


私がそう言うと、先輩は目を大きく開いた。
 
私からこうして提案したりすることが珍しいからかな⋯⋯あはは。



「明後日は空いてるから大丈夫。一緒に行こうか」

「⋯⋯! はいっ」
 
先輩と星良ちゃんとの夏祭り⋯⋯楽しみだなあっ。
 
お祭りは明後日なのに、私の心は楽しみな感情で埋まっていた。