溺れるほどの愛を君に

「う、うん⋯⋯っ」
 


嘘をつくことが苦手な私はあからさまに動揺してしまって、ちーくんが私を怪しんだということはひと目でわかった。

「⋯⋯もしかしてひまり、さっきの⋯⋯見た?」

「⋯⋯っ、うん⋯⋯」
 


何年も一緒にいるから、私の動揺ぶりでさっきの出来事を見てしまったことがバレてしまったらしい。
 
さすが幼馴染だなあ⋯⋯。
 
って、今はそんなことじゃないよね。



「まあ、ひまりは気にしなくていいよ。ごめんね、変なことに巻き込んじゃって」
 


謝らせてしまって、罪悪感が募ってしまう。



「う、うん⋯⋯私こそ、変なところ見ちゃってごめんね」
 


今思えば、こうしてちーくんとたくさん二人きりで話してしまったことがいけなかったんだなって思う。
 
あんな風にちーくんとの距離が近かったことが女の子たちからの反感を買ってしまったんだろうな⋯⋯。
 
それから一週間も経たないうちに、私の周りにはちーくん一人しかいなくなった。
 
もちろん、学校の中で。



「あの、おはようっ⋯⋯」

「⋯⋯」
 


挨拶されたら無視なんて当たり前。物を隠されたりもしたし、関係のないデマも流されるようになってしまった。
 
それは、「鈴代ひまりは男好き」というもの。
 
もちろん、事実じゃないし、ちーくんも事実じゃないって周りに訴えかけてくれたけど、ちーくんのその接し方もデマに油を注ぐようになってしまった。