溺れるほどの愛を君に

流石に野宿は色々と危険だし、私の家ならいつでも人が来ても大丈夫なようにしてあるから必要なら来てもらっても構わない。



「そのことだけど、警備会社に連絡したらスペアキーもらえたんだよね。ひまりが寝てる間に」



確か、このマンション自体で警備会社との契約はしていないはず⋯⋯先輩が個別で契約していたのかな?



「親にもしものために契約しとけって言われててさ。まさかこんなところで役立つとは思ってなかったけど」
 


先輩の親御さん、ありがとうございます⋯⋯!
 
これで先輩が自分のお家に戻れる、ということになるよね。
 
一安心っ⋯⋯!



「⋯⋯安心してるようだけど、俺はちょっと心配だな」

「? 何にですか?」



今この時点で新しい問題は発生していないと思うけど⋯⋯。



「軽々しく男を家にあげたらだめだよ? もうちょっと警戒心を持とうね、ひまり?」
 


先輩の顔は笑っていたけど⋯⋯目が笑っていなかった。
 
こ、怖い⋯⋯っ。



「は、はい! わかりました⋯⋯!」

「ん。いい子」
 


先輩はいつものように優しく微笑んで、私の頭をよしよしと撫でてくれた。
 
な、なんだか子ども扱いされてるっ⋯⋯? あはは⋯⋯。



「じゃあ、学校行こっか」

「はいっ」
 


先輩がお家に戻れるということに安心したはずだったけど、私の心の中では少しさみしい感情が芽生えてしまった。