溺れるほどの愛を君に

やっぱり克服しなくちゃだなあとは思っているけど、苦手なものはなかなか治りにくい。



「……っ、そう、だな」



あれ……? 先輩の顔、赤くなってる……風邪かな?



「先輩、風邪ですか……?」

「え、なんで」

「だって、顔……赤いじゃないですか」

「……違う違う!! そういうことじゃ、ない……」



だんだんと小さくなっていく先輩の声に耳を傾けながら、私は首も傾けた。

そういうことじゃない……風邪じゃないってことは、なんで顔が赤くなっているんだろう……?



「っ、ほら、ひまりは作ることに集中しなよ。俺、そこで勉強してるから」

「はいっ! じゃあ作り終わったら呼ぶので、そこら辺で待っててくださいね!」



よーし、頑張るぞっ……!

☆     ☆     ☆

「せんぱーい……できましたっ」



リビングで参考書を読んでいた楓先輩に声をかけると、驚いた表情の先輩が振り返った。



「え、もう? 早くない?」



確かに、さっき待っていてと言ったときから三十分ほどしか経っていないけど……カレーはそんなに時間がかかるような料理ではないから、どうして先輩が驚いているのかがわからなかった。