溺れるほどの愛を君に

それにしても、私になんの用があるんだろう……?



「え、っと……私に何か用があるんですか……?」

「私、この学校の教師をしているんだけど……って、今はそんなことどうでもいいわよね。鈴代さんに頼みがあって来たの」



私に頼みごと……?



「あなたは入学試験での成績が一番だったから、新入生代表挨拶を頼みたいな、って思っていて……」

「……え?」



あ、あと三十分で入学式が始まるんだよね……?

っていうことは、最高でもあと三十分で挨拶の文章を考えなくちゃいけないってこと……!?

できるかなあ……。

うーん……でも、先生は困っている顔をしているし、きっと今用意できるのは私しかいなさそうだよね……よしっ。



「わ、わかりましたっ……」

「本当に……!? 鈴代さんがいい人でよかったっ……! じゃあ、この原稿用紙に新入生としてこんなことを頑張りたいです、みたいなことを少しだけ書くだけでいいから。本当に急で変な頼みをしてしまって、ごめんなさいっ……!」

「あ、頭を上げてください先生~……」



早口で説明したあと先生は「入学式の準備があるから」と言って、すぐに教室を飛び出してしまった。