雨の降る日はジャズバーへ ――Cats that gather at night――

「美琴ちゃん! 良かったらおすすめのカクテルがあるんだけど、飲んでかない?」

 新たな体験を期待して「良いんですか!! お願いします」と期待に胸が膨らんだ。

 先程飲んだヴァイオレットフィズのグラスとは違い、猫のジンとフィズに似た、細かい装飾が付いた高級感のあるグラスが出された。

「今から作るカクテルは、ジンフィズです。レモンの酸味とジンの爽やかな香りをお楽しみください」

 ジンとレモンジュースをメジャーカップで測って、シェイカーに入れる。ティースプーンでシロップを加えたあと、氷を詰めて(ふた)をすると凜と構えた。

 息を整えると……「カシャカシャ」とシェイカーを振った。目が離せない程、引き寄せる動きに喉が渇く。早く飲みたいと我慢できないほど……心がかき乱された。

 氷が入ったグラスに注ぐ。氷に触れないようにソーダを流し込む、最後にレモンを薄く切り落として目の前に置かれた。

 おしゃれなグラスに、ジンフィズとレモンが飾られて美しかった。ジンフィズの色は透明で、レモンの果汁が少し見える。