雨の降る日はジャズバーへ ――Cats that gather at night――

 ライブが終わるとパラパラと人が帰って行く。

 私はカウンター席に戻り椅子に座った。

「あらぁ。最初見たときより、ずいぶん顔色が爽やかで美人さんだね。レンの初めてのステージどうだった?」

 ママに恥じらいを忘れてステージの感動を話した。

「レンの甘い歌声が耳から離れません……誰かに向けて歌っている姿に、私のことなら良いのにと願うほど、夢中になりました」

 ママは驚きで口が開いたあと、微笑んだ「あたしには、美琴ちゃんが恋をする乙女にしか見えないわよ。レンのことはおすすめ出来ないけど、いつでもいらっしゃい。私の自慢の息子を見にね」


 恥ずかしくなり顔を下にそらすと「グー」突然お腹が鳴った。

「二十三時までラストオーダーしていて、あと二十分あるからよかったらどうぞ」