雨の降る日はジャズバーへ ――Cats that gather at night――

 レンはステージを後にして部屋に戻った。

「みこと姉ちゃん! レンって本当に凄いよね……」

 ステージの驚きで、りょうこに話し掛けられていることに気が付かず、肩を軽く触られて気が付いた。

「あ! ごめん。初めての経験で圧巻していて、ステージにいないはずなのに、歌っている姿が目に焼き付いて、ステージから目が離せない……だから気づかなかった……ごめん」

 店の扉を開いてから、初めての事ばかりで視界が鮮やかに感じる。違う……レンと出会ってから少しずつ私の世界が変わったんだ。

「みこと姉ちゃん。もうレンのファンだね。Cats that gather at nightは、りょうこにとっての大切な居場所。だから、みこと姉ちゃんが気に入ってくれて嬉しい。今日は帰るけど、また会おうね!」笑って手を振った。


 私は一人っ子だから、最初はみこと姉ちゃんって言われて戸惑ったけど、りょうこさんは凄く良い子で仲良くなりたいと思えた。