最強の王子は花売り娘に恋をする

ジュリエッタとエドガーはその後も花束がよく売れたので帰りの荷車は軽くなった。

少し早めに店じまいをして周りの屋台の人たちに挨拶をしてから家路についた。

ここからは家まで歩いて30分はかかるので、母にはいつも明るいうちに家に着くように帰って来なさいと言われている。

荷車を引きながらもエドガーのおしゃべりは止まない。

「ねえジュリ姉ちゃん、今日の小さな女の子に銅貨1枚であんなに可愛い花束作ってあげてあの子喜んでたよね。帰りはスキップしてたよ。嬉しかったんだね」

「うふふ、そうね、可愛い女の子だったわね。4歳くらいかしらね。あの子のお母さん早く良くなるといいね」

「うん、そうだね。それでその後に来たフレデイっていうお兄さんはかっこよかったね。背が高くてがっしりしていて濃い金髪に空の色みたいな青い目だったよ。王子様みたいだったね」

「あはは、王子様かあ、そう言えばそうかなあ」

ジュリエッタはフレデイの姿を思い出しながら思わずポーっとしていた。

青い目は切れ長の二重で長い睫毛が印象的だった。

髪は金色というより金色がかった明るい茶色だった。

陽に当たるときっと金色に見えるのかもしれない。

背も高く体も鍛えているようだった。

笑い顔が優しそうな美しい人だった。

そして彼の微笑みにジュリエッタはドキッとしたのだった。

本当に王子様のように素敵な人だった。

背筋がピンと伸びて凛々しい立ち姿だった。

また来ると言ってくれたので、また会えるかもしれない。

その後もエドガーのおしゃべりは、色々な話題にあっちこっちしたが家に着くまで止まなかった。