最強の王子は花売り娘に恋をする

キメラの元王族は元国王と元王妃は毒杯を飲まされての処刑となり、その他の元王族たちは末端に至るまで流刑となり離島に流されたり、厳しい修道院や鉱山に無給の坑夫として送られた。

ヨハネス国王はフレデリックに、キメラ公国の統治を将来のシュバイツァー王国の国王としての実戦経験になると言ってすべてをフレデリックに任せた。

シュバイツァー王国は、東の隣国オキシアン共和国とは良好な関係を結んでいる。

西のキメラ公国にフレデリック公主が陣取って入ればキメラが接する国に対しては強力な抑止力になる。

その隣の大国バタール帝国もシュバイツァー王国に従順な姿勢を示し敗戦国としての巨額の賠償金の支払いと現国王の退陣と幽閉を了承した。

次代の国王はまだ10歳という若さでトラピスト王子が国王となった。

最初にフレデリック公主に会った時には恐ろしさで失禁したとか…

本当は優しいフレデリックなのにそんなに恐れられているのが悲しくてジュリエッタは何度も10歳のトラピスト国王をキメラ公国に招いてフレデリックの優しさを伝えた。

フレデリックの下について政務を学んでいる15歳になるケンデイラとはいい関係にある。

今ではすっかりジュリエッタに懐いているトラピスト国王は、フレデリックにも気軽に国の政も相談するようになった。

フレデリック公主はキメラを5つの領地に分け各領地を領国と呼び領国を統治する者を、領国主とし領国主に議会を通じて領国の運営をするように命じた。

フレデリックは前キメラ帝国の貴族制度は廃止した。

今回の戦争も高位貴族には責任を負わせた戦争に賛成しバタール帝国に媚を売っていた貴族は王族と同じように厳しい処遇を受けた。

キメラ公国自体もフレデリック公主を筆頭に5人の領国主と12名の各大臣の議会制で公国のかじ取りをしていった。

シュバイツァー王国の貴族やキメラの前貴族は領国主には採用しなかった。

シュバイツァー王国の貴族の次男、三男で優秀な者や平民でもフレデリックが見込んだ者は大臣などに登用された。

デレクは相変わらずフレデリックの筆頭側近としていつも後ろに控えている。

今はまだキメラ公国民の意識が生活を建て直す事に一杯になっている。

フレデリックは金鉱脈の収入がありがたかった。

ヨハネス国王がキメラ公国の建て直しに金鉱脈の収入を優先的に使わせてくれるのもありがたい。

キメラ公国民に働く場所と働く意欲を持たせることに資金を使える。

荒れた耕作地の整備にも着手して農民の意識も生きる事に向いてきた。

キメラの王族や高位貴族には反吐が出る。

国民にすべて自分たちの悪政のつけを払わせて、シュバイツァー王国への4年前の敗戦の賠償金も支払えていないのに今回の参戦だ。

シュバイツァー王国の国王も叔父の騎士団総長も激怒していた。

だがフレデリックはマイナスから国を建て直せることに感謝している。

キメラの貴族制度されすべてを切り捨てるのではなくその中でも革新的な考えを持つものや優秀だと判断したものは王城や各領国の文官などにも起用した。

騎士団も一から登用し作り直した。

全て壊されていたので、全て一からの再生になったのだ。

前がどうのこうのと言う者は誰もいなかった。

そう言う意味でもやりやすかった。

ジュリエッタとの結婚式までにある程度の形を作っておきたかったので、フレデリックは毎日寝る間を惜しんでデレクと共に頑張ってきた。

ジュリエッタも自分にできる事でフレデリックを助けたいと言って今はこの城を花でいっぱいにすると言って頑張っている。

公主夫人だと言うのにジュリエッタには偉ぶる所も上から命じる事もしない。

侍女やメイドにもすべての人に何か頼んでしてもらうと”ありがとう”と言う。

自分がシュバイツァー王国の貴族たちに嫌な扱いを受けた彼女はそれを忘れていない。

自分達の為にたとえ仕事だといえ働いてくれる人たちに感謝の気持ちを忘れない。

そう言うジュリエッタの優しい心や人を思いやる気持ちにいつも心が震える。

ジュリエッタの明るい笑顔にいつも癒される。

父王から任されたキメラ公国の統治にジュリエッタが隣にいてくれるだけで頑張れるのだ。