最強の王子は花売り娘に恋をする

キメラ帝国との国境には先の戦の時岩で封鎖してキメラ側には大きな穴もあけてある。

でもバタール帝国に魔法が使える者たちがいるならそんな物は手の一振りでどかせてしまうし、穴も土魔法で一瞬にして埋めてしまうだろう。

だから先手を取って岩はキメラ側に吹き飛ばしてやるのがいいのではと思っている。

そうすることでバタール軍に躊躇する隙を与えられたら、こちらは魔法の力で打ちのめすのみだ。

反対に先にこちら側に岩を飛ばしてこられたらこちらが不利になる。

どちらが先に先手を取るかでかなり戦況が違ってくるはずだ。

そしてバタール軍の魔法騎士の力がどれほどなのかが分からない事も不安材料でもある。

フレデリックは国境の周辺の地図を示して、

「バタール軍がこの辺まで来たら岩を吹き飛ばしましょう。大穴を塞ぐのは向こうがやるでしょう。穴が開いたままではこちらに攻め込んでこられないですしね」

そう言うとフレデリックは青騎士団の騎士の内風魔法の得意な物3名に岩を吹き飛ばすように指示した。

その合図は山の中腹に見張りを両サイドにそれぞれ置いて、バタール軍が想定内に侵攻してきた時に赤旗を上げさせることにした。

そして赤騎士団は最後尾で後ろからの攻撃に備えるように言った。

つまり青騎士団の魔法騎士がバタール軍に対治して攻撃を行う、

赤騎士団の剣術に優れた者たちでキメラ軍の後ろからの攻撃に備えると言う戦術だ。

白騎士団は国境から少し離れた所で、テントを張り怪我をした兵士の治療にあたる事になった。

キメラ軍との小競り合いがこちらの不利になってきたら白騎士団の魔法が使えるものが応援に入る事とした。

だいたいの布陣も決まった所で、王妃とマリアとジュリエッタが皆に冷たい飲み物とサンドイッチを持ってきてくれた。

各騎士団で今度はもう少し詳細を詰めていくことになった。

皆サンドイッチをつまみながらリラックスしていた。

その時デレクがさっと立ち上がってこっそりと会議場を出て行こうとした騎士を捕まえて“お前はどこの騎士団だ”と言って、男を取り押さえた。

みんな見た事が無い男でキメラ帝国のスパイだと思われた。

早々にスパイに自白剤を飲ませて、バタール軍の魔法使いはどのくらいの力をもってどんな魔法を得意としているのかを聞き出した。

その魔術騎士は雷を落とす事ができるそうで、あとは火の魔法が得意だそうだ。

雷の威力はわからないと言う事だが、フレデリックのバリアーでどれほど防げるかがわからない。

フレデリックは魔法師団ともっと詳細な打ち合わせに入った。

そしてフレデリックの読み通り後方から挟み撃ちにするべくキメラ軍の軍人が入り込んでいると白状した。

ただその男はその人数までは把握していなかった。

今から貴重な騎士を割いてキメラの軍人を探し出す手間はかけられない。

赤騎士団も挟み撃ちの作戦の対策を練る事になった。