最強の王子は花売り娘に恋をする

シュバイツァー王国の王都の駅には迎えの馬車が待機していた。

その日の夕刻には王宮に着いた。

1日早く帰って来ていたデレクとも合流した。

王宮では騎士達が戦争の準備をしていたが皆不安が顔に現れていた。

そこにフレデリックが姿を見せると

「フレデリック王子が帰って来て下さったぞ、これで勝利は間違いない」

そう言って鬨の声を上げるもの大喜びで抱き合う者がさざ波のように王宮の中を伝播していった。

フレデリックの存在は騎士たちの不安を一掃して、皆に力を与えた。

ジュリエッタはそれを肌で感じて、最強の王子フレデリックの偉大さを実感したのだった。

国王と叔父の騎士団総長のイワンと王妃にマリアが出迎えてくれた。

「フレデリック帰って来てくれたんだな。ありがとう」

そう言って国王陛下はフレデリックを抱きしめた。

叔父のイワンも”フレデイ“と言うと言葉に詰まっていた。

ジュリエッタは王妃とマリアの3人で抱き合っていた。

王妃は”ごめんなさい。辛い思いをさせてしまったのに帰って来てくれてありがとう“と涙を流していた。

マリアは“ジュリ、これからは我慢しないでなんでも話してね”と言って抱きしめてくれた。

ジュリエッタは王妃とマリアに任せて、フレデリックは国王と総長のイワンと共に戦略会議に向かった。

各騎士団の団長に副団長そして各隊の隊長副隊長の総勢30名ほどが、会議場に集まった。

バタール帝国の情報があまりないのが痛手だった。

今キメラ帝国に潜入させている諜報員からの情報だけが頼りなのだ。

フレデリックはデレクと一緒に騎士団の作戦会議に出席し叔父のイワン総長を中心に作戦を立てていた。

フレデリックはきっとキメラ帝国の軍人がシュバイツァー王国に入り込んでいるのではと思っているのだ。

キメラ帝国人はシュバイツァー王国人と見た目はよく似ていて良く観察しないと見分けがつかない。

バタール帝国人は肌の色が浅黒く髪の色は黒がほとんどで見分けがつきやすい。

シュバイツァー王国に潜入しているならキメラ帝国の軍人だろう。

しかし何の証拠も根拠もあるわけではない。

ただフレデリックならそうするだろうと思うからだ。

キメラ軍は後方から仕掛けてくるつもりではないかと思っている。