最強の王子は花売り娘に恋をする

フレデリックはその様子を見ていて胸がホット温かくなるのを感じた。

優しい花売り娘の行動に感激したのだ。

その花売り娘は薄いブラウンの髪にウイスキー色の瞳をした知的で美しい娘だ。

日に焼けて逞しく白い麦わら帽子をかぶっている。

帽子には水色のリボンが巻いていて後ろで結んであった。

その下の大きな目がくるくるとよく動きピンク色した唇は口角が上がりずっと笑っているようだ。

娘は花柄の質素な木綿のワンピースに白いエプロンをつけていた。

とても清楚で感じがよかった。

フレデリックはその花売り娘に近づいて

「こんにちは、母に贈りたいのだが花束を作って貰えるかな?」

「はい、ありがとうございます。ご予算はどのくらいで?」

「別に決めてないけど、花束ってどれ位するかもよくわからないし…」

「こちらに作ってあるこれくらいの大きさで5銀貨でそれ以上大きくなると8銀貨以上になります」

「じゃあ大きな花束が良いな。20銀貨までなら出せる」

「わかりました、お母様の好きなお色はわかりますか?またどんな雰囲気の方でしょうか?できたら贈る方のイメージで花束にしたいので…」

「う~ん、好きな色はわからないけれど水色の服をよく着ているよ。優しくて凛とした強い人かな」

そう言ってほほ笑むと、彼女は目を大きく開けてちょっと頬を染めて

「素敵なお母様ですね。では水色のデルフィニウムと白のバラを中心に花束にしますね」

そうして大きな花束を作って白い紙で花束をくるっと巻いて水色のリボンでまとめてくれた。

「こんな感じでいかがですか?」

「うん、素敵だね。母も喜ぶよ。二人はいつもここでお花を売ってるの?」

「学校の休みの日とかだけですから。土日のどちらかは大抵ここに居ます」

「弟さんと二人でやってるの?」

「母が王都の中央市場で花屋をやっていて、弟は休みの日は母の店を手伝うか私について来るかどっちかです。今日は”感謝の日“で、母の店には手伝いの人がいるので、こっちを手伝ってくれてます」

そう言って弟の頭を撫でてやっている。

「そうか、えらいね。お家のお手伝いをちゃんとしているんだね」

「うん、お母さんとお姉ちゃんと3人家族なんで男は僕だけだから、僕が二人を守らなくちゃいけないんだ」

そう言うとその子は胸を張った。

「そうかえらいなあ、名前は何ていうの?僕はフレデイって言うんだ」

「お兄ちゃんはフレデイって言うの?かっこいい名前だね。僕はエドガーで姉ちゃんはジュリエッタだよ。でも母さんも僕もジュリって呼んでるけどね。ジュリ姉ちゃんって」

「もう、エドガーおしゃべりしすぎよ。すみません。人懐っこくて困ってます」

「どうして、可愛くていい子だよね。また買いに来るよ」

そう言うとフレデリックは15銀貨支払って帰った。

王都の3番街にある公園は結構大きくて、中には植物園や動物園もある。

大きな木が茂り木下には休めるようにベンチが所々に置いてある。そんな公園の入り口付近で兄弟は花を売っている。周りにもいろんな屋台が出ている。

串焼きを売ってる屋台や甘い菓子を売ってる屋台に女の人が喜ぶような雑貨を売ってる屋台もある。

皆仲良く手伝いながら商いをしているようだ。

そんな中でも花売り娘たちは一番年が若く、周りの大人たちに可愛がられている。