最強の王子は花売り娘に恋をする

最初の手紙には王位継承権を放棄して廃嫡も覚悟して王宮を抜け出してきた事を書いた。

その次の日の手紙にはジュリエッタを貶めていた令嬢や侍女たちは修道院送りになった事を書いた。

国王がひどく怒って貴族制度自体を見直す必要があると言って、今元老院でその事が討議されている事も書いた。

その次の日にはマリアさんがとても心配している事を書いた。

次の日からは“ジュリ愛してる。 フレデイより”と書いたカードを花束につけて届けている。

1週間も毎日やって来るフレデリックを不憫に思った家令はジュリエッタの状況を教えてくれた。

ジュリエッタはまだ寝ている時の方が多くて、ベッドから起き上がるとめまいがするのだそうだが、ここに来た時よりはかなり元気になったと家令は言った。

医者の言う事では心の病だからその原因になったシュバイツァー王国を思い出すようなものは見せてはいけないと言われているので、フレデリックの手紙やマリアや王妃からの手紙も見せていないのだと言う事だった。

フレデリックの持ってきてくれる花だけはジュリエッタの部屋に飾ってくれているらしい。

エドガーはオキシアン共和国の学校は、ガレリア伯爵家からは少し遠いので寮に入っていると言っていた。

週末や長期休暇の時には伯爵家に帰ってきてずっとジュリエッタの側にいるそうだ。

フレデリックはジュリエッタの近況を聞けて安心したが、持ってきたお金も底をついてきた。

フレデリックとデレクは働かなくては食べていけないので仕事を探す事にした。

デレクがオキシアン共和国の大商会の護衛の仕事を見つけてきた。

現在の護衛達と手合わせして剣の腕が良ければ雇ってもらえるようだ。

給料もいいし住み込みを希望すれば寮もあるらしい。

当然二人は今の護衛達をコテンパンにのして仕事をものにした。

商会の護衛はオキシアン共和国国内にとどまらず隣国やもちろんシュバイツァー王国、そして海を越えて小さな島国までもに及ぶのだった。

フレデリックとデレクは必ず一緒に護衛につけるようにデレクが商会主に交渉して、そのように配慮されていた。