最強の王子は花売り娘に恋をする

その後国王は国の貴族の当主全員を王宮に招集した。その数200名以上に上る。

「君達貴族は何か勘違いをしていないか?貴族として領民や平民が豊かに暮らせるように統治するのがお前たちの役目であって、貴族という地位を振りかざして他人を貶め陰湿ないじめをするような娘を育てる事しかできないなら、この国の貴族制度は間違っていると言う事だ。隣国のオキシアン共和国では今貴族制度を見直していると言う。我が国もそうするべきだと今回の事で切実にそう思った。ジュリエッタはオキシアン共和国の王家を通じて第一王子の婚約者になるべく王宮預かりになったのだ。その辺の事も皆承知の上での今回の行いなのだな。私は隣国の王家に対し申し訳が立たない。我が国の貴族連中の質の低さを思い知った」

国王は淡々としかし容赦なく貴族達をねめつけた。

王宮の侍女として仕えていた者は伯爵家や子爵家の令嬢がほとんどだ。

王宮の侍女として行儀見習いをしていたと言うのは嫁入りに有利に働くのだ。

公爵家や侯爵家の令嬢は侍女として王宮に上がる事はほとんどない。

国王は特に貴族の最高峰である5大公爵家の当主を一番前に呼び出して申し開きはあるかとすごんで見せた。

5大公爵家の内3公爵家の令嬢達が今回の事件の当事者だったのだ。

後は2侯爵家の令嬢が当事者だった。

公爵家として関与していないのはイワン・ハリス公爵と3人の令嬢がいるがお茶会は主宰していないアボリジア公爵家の2家となる。

筆頭公爵家の当主は

「陛下大変お恥ずかしい事でございます。隣国より輿入れられる方を孫娘が貶めた事わが命に代えてお詫び申し上げます。この老体の余命は幾ばくかではございますがどうか此度の事はわが命に代えて、孫娘の傲慢な行いをお許しいただけないでしょうか?孫娘は公爵家より籍を抜き市井に平民として放逐いたします。どうかお怒りをお沈め頂きますようお願い申し上げます」

そう言うと老侯爵は腰に履いていた短剣を取り出し首に当てて自身の首を掻っ切ろうとした。

その場にいた貴族全員が唖然とし近衛騎士達が急いで公爵の短剣を取り上げて阻止した。

「ご老体お前の残り少ない命を散らしてこの場を血染めにするつもりか?それこそ人の迷惑も顧みず自身の奢った行為だな。今回お前たちの娘や孫娘が遣った事の責任は各家名でどのようにとるか頭を冷やして考えろ。私は元老院にこの事に関して深く受け止め対策を考えるように指示をした。貴族が奢り高ぶる時代は終わったと心に刻め」