最強の王子は花売り娘に恋をする

その日は王家の家族と夕飯を共にすることになり急遽叔父一家も呼ばれた。

叔父は先日念願かなってマリアとザイールを妻と嫡男としてイワン・ハリス公爵の籍に入れた。

そのお祝いも兼ねて皆で晩餐会をすることになったのだ。

ジュリエッタはマリア達がいる事で気持ちも軽くなった。

エドガーとザイールは中庭で木剣で遊び始めた。

そこにフレデリックの弟のケンデイルも加わり男3人は剣を振り回して遊んでいる。

8歳になったフレデリックの双子の妹シュシュとケイトは姉ができたことが嬉しくてジュリエッタに纏わりついている。

三人でサシェを作ると言って中庭にある花壇の花を摘んでドライにするようにジュリエッタに教えてもらって妹二人は大満足である。

今度ドライになった花びらを使ってサシェを完成させるのにまた王宮に来てくれるようにジュリエッタにお願いしている。

フレデリックはジュリエッタもエドガーも皆に受け入れられて、安心した。

マリアも今日初めて会ったアメリア王妃と何やら話し込んでいる。

こうして自分の家族がみんな集まって楽しく過ごせていることが夢のようだった。

きっと将来ジュリエッタはフレデリックとこの国を正しく導いていってくれるだろう。

国王の提案でジュリエッタは1年ガレリア伯爵家で、貴族のマナーなどを身に着けてから婚約するという事になった。

花屋は隣家の夫婦 妻は実は護衛騎士だったのだが、二人に託すことにした。

ジュリエッタ達の家も二人に住んでもらって裏庭の花や温室の世話もしてもらう事になった。

女騎士は先日花屋を預かった時に花を育てたり花束を作る事もとても楽しく上手くできるようで、ジュリエッタはアロマやサシェの作り方も教えた。

自分が直接関われなくても“ガレリアフラワー”が残るのは嬉しかった。

エドガーは王立スメール学園に通うつもりだったのだが、ガレリア伯爵がエドガーを次期伯爵として後継者にしたいと言ってきた。

だからエドガーはオキシアン共和国の学校に通う事になる。

ジュリエッタは1年すればシュバイツァー王国の王宮に入る予定なので、エドガーとは1年後には離れ離れになる。

でもジュリエッタはエドガーの判断に任せる事にした。

母親亡き後二人で肩寄せ合って生きてきた。

エドガーが一緒にいてくれればジュリエッタは心強い。

でもエドガーは頭のいい子なのだ。

オキシアン共和国の祖父母の元でガレリア伯爵の後を継いで領地の経営をしていくのもいいかもしれない。

結局エドガーは祖父母の希望を受け入れる事にしたようだ。

フレデリックもジュリエッタに1年会えないのは心が引き裂かれるようだが、二人の最初の試練として乗り越えて行こうと誓い合った。

手紙を頻繁に出し合う事で会えない時も希望をもって二人は1年という時を乗り切った。