最強の王子は花売り娘に恋をする

フレデリックは国王と王妃にジュリエッタの事を話した。

ジュリエッタとエドガーが隣国オキシアン共和国の伯爵家の出身だという事、両親が駆け落ちしてこの国に入国してきて二人が生まれた事。

2人は平民として育ったので貴族のマナーも何も学んではいない。

先日オキシアン共和国の伯爵家に二人を連れて行って祖父母に合わせた。

二人ともすぐに祖父母と打ち解けて伯爵夫妻も幸せそうだったとも報告した。

そして婚約を許して欲しいという事となるべく早く二人を王宮に呼んでジュリエッタには貴族としてのマナーの勉強をエドガーには王立スメール学園に編入させてやりたいと言った。

王太子妃としての勉強はその後でいいと思っている。

国王夫妻はまずジュリエッタとエドガーに合わせてほしいと言った。

“話はそれからだ“と国王に言われた。

数日後市場の休みの日にエドガーも学校を休ませて二人を王宮に連れてきた。

国王と王妃がプライベートエリアの応接室で二人を待っていてくれた。

フレデリックはジュリエッタとエドガーを隣国のガレリア伯爵家の縁者で今はシュバイツァー王国の王都の中央市場で花屋を経営していると説明した。

2人共がちがちに緊張していたが、それでもジュリエッタは背筋をピンと伸ばし顔を上げて国王と王妃に挨拶をした。

貴族風の挨拶はできていないがしっかりと腰を折り、王妃が声をかけるまで90度にお辞儀をしたままでいた。

「ジュリエッタさん頭を上げてそんなにかしこまらなくていいのよ。今日は国王と王妃ではなくフレデイの父親と義母親として話がしたいだけなのよ。さあ座って」

「うん、そうだ。いつもフレデイが平民になりたいとか王位継承権もいらないとかそんなことばっかり言っているんだ。息子にそんな事を言わせるお嬢さんにぜひ会いたい思ってね」

ジュリエッタとエドガーは国王と王妃の向かい側のソファーに並んで座った。

フレデリックはジュリエッタの横の一人掛けのソファーに腰を落ち着けた。

「ジュリエッタさんの作った花束をいつも”感謝の日“にフレデイがくれるのよ。とっても素敵な花束ね。それに娘たちにはアロマとサシェをプレゼントしてくれるのよ。ジュリエッタさんが作るんですってね。素晴らしいわ。花屋も繁盛しているようね」

「ありがとうございます。母が中央市場の火事でなくなった時、姉弟二人だけになってしまいこの国には親戚も頼れる人もいなかったのです。そんな時フレデイ…いえ殿下が助けて下さったんです。市場の一等地に利権を買って下さって感謝しています」

「ジュリエッタは毎月お金を返済してくれるんだ。要らないと言ってるのに…」

「だって、そんな事当り前よ。でもあと何十年もかかりそうだけれど…」

「ジュリエッタさんはフレデイと結婚してくれるつもりはあるの?」