最強の王子は花売り娘に恋をする

キメラ帝国の戦いでフレデリックの力を見た騎士達はそれからは、最強の魔法使い、最強の王子と言ってフレデリックを敬いつつも恐れている。

若いにも関わらず副団長兼総長の補佐という要職につき皆に一線を引かれていて、居心地は良くはない。

フレデリックの従者のデレク・タッカーだけは二人だけの時は幼馴染という気やすさで“フレデイ”という愛称で呼んでくれて、何でも話せる相手なのだが…

一人でもそう言う友人がいてくれるだけでもありがたいと思う。

でもいつも王宮の中を歩いていると騎士も侍女も文官も皆フレデリックとすれ違うと廊下の端にぴったりと張り付いて目を合わさない。

そして通り過ぎるまで頭を下げているのだ。

何でも目が合うと石にされると言う噂があるらしい。

そんなことあるか!馬鹿らしい。

そういう訳でフレデリックは王宮にいると気詰まりなので、よく従者のデレクと二人で王都に出かけてぶらぶらしている。

ひとりでもよく出かけているがデレクにばれると文句を言われる。

王子が従者も連れずに一人で街をほっつき歩くんじゃないと叱られる。

そしてこの頃王都の一番大きな公園の前の広場で手押し車に桶を乗せてたくさんの花を入れて売っている15~6歳の娘と8歳くらいの姉弟を見かけるのだ。

手押し車の中には値札にガーベラと書かれた葉っぱのない大きく開いた花が白、ピンク、オレンジがそれぞれの桶に入れてある。

後はバラも白、赤、ピンクと3色、ブルーの小花や白の小花が付いたもの名前もわからないがグリーンの葉っぱもある。

綺麗だなあと思いながら時々見かける仲良さそうな姉弟を眺めていた。

時々姉が作るのだろう花束をおいてある。