最強の王子は花売り娘に恋をする

3人はホテルのレストランで、オキシアン共和国の郷土料理を食べた。

メインの料理が出るとジュリエッタは

「この料理はお母さんがよく作ってくれたわ。ねっエドガー覚えてる?この料理はオキシアンの郷土料理だったのね」

野菜と鶏肉を炒めて下にお米を敷いてオーブンで焼きあげている。

味付けは少し香辛料が聞いていて甘辛く美味しかった。

「うん、覚えてるよ。父さんが生きている時は週に一度は必ず作ってくれてたね」

「そうね、お父さんが亡くなってからはこの料理を美味しい美味しいと言って食べるお父さんの事を思い出して辛くなると言ってなかなか作ってくれなかったけれど…」

「今度家でも作ってよ。ジュリ姉ちゃんなら作れるよね。フレデイも一緒に食べようね」

そう言ってエドガーは料理を平らげていった。

「帰りにこの料理に使う香辛料を買って帰りたいわ。やっぱり国によって色々な事が違うのね」

「そうだな。時間があれば首都の市場にも行ってみよう」

フレデイがそう言うと二人ともすごくうれしそうに笑っていた。

その日は3人とも早く部屋に下がって眠る事にした。

ジュリエッタもエドガーも明日会う予定の祖父母の事を考えて今から緊張していた。

フレデリックは二人を部屋まで送って行って優しく二人の手を取って言った。

「二人とも緊張しなくても大丈夫だよ。ガレリア伯爵夫妻はとても優しい人達で、二人に会うのをそれは楽しみにしているらしいから、リラックスして今日はよく眠るんだよ」

翌朝三人はガレリア伯爵家に向かった。

ガレリア伯爵夫妻は門の前で馬車が付くのを待っていたようだ。

やはり貴族の屋敷だけあって門構えも重厚感があった。

壁に木の柱が見えていて山小屋風のかっこいい家だった。

シュバイツァー王国の家は煉瓦や石作りの家が多く頑丈だ。

オキシアン共和国の街並みはクリーム色の壁に黄みがかったオレンジ色の瓦が乗っている家が多かった。

なので街全体が明るい雰囲気なのだ。

正門前に馬車が付くと玄関ドアがすぐに開けられて、50代くらいの上品な夫婦が早足でやって来た。

「まあ、まあ、ジュリエッタもエドガーもよく来てくれたわ。初めまして私があなた達の祖母よ」

「ああ、よく来てくれた。嬉しいよ。フレデリック王子もありがとうございます。孫たちに会える機会を作っていただき感謝申し上げます」

「いいえ、こちらこそ二人に会って頂けて嬉しいです。ジュリエッタにエドガーこちらがガレリア伯爵だ。そして奥様のリパーデイア様だよ」

「初めましてお爺様、お婆様ジュリエッタです。お目に掛かれてうれしいです」

そう言うとエドガーと二人そろって丁寧にお辞儀をした。

「まあ、そんな堅苦しい挨拶はいいのよ。さあ入ってあなた達の母親のジュデイアの部屋はそのままにしているわ。後で見てみるといいわ」

皆は応接間に通されて侍女がお茶を入れてくれた。

ジュリエッタはシュバイツァー王国から持ってきたお土産の焼き菓子と、ジュリエッタが作ったアロマやサシェを二人に手渡した。

「それにしてもジュリエッタはジュデイアにそっくりだ。丁度出て行った時の年頃だから余計に似ていると思うのかもしれないが、二人とも両親を亡くして苦労しただろう。何もしてやれなくて申し訳なかった」

そう言って伯爵は二人に頭を下げた。

2人は3日間ガレリア伯爵家に宿泊することになっている。

フレデリックは一度シュバイツァー王国に帰り4日後にまた迎えに来ることになっていた。

馬車と汽車を利用して1日あれば来ることができるのだ。

それでも二人はフレデリックが帰る時には不安そうな顔をしてジュリエッタはフレデリックの上着のすそを思わず握ってしまっていた。

「ジュリ、そんな可愛い事をしたら帰れなくなるよ。大丈夫だ。優しいご夫妻だし俺は4日後に迎えに来るから…」

フレデリックはジュリエッタの耳元でそう言って二人を抱きしめて帰って行った。